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【男伊達花廓】平成29年10月・11月 全国巡業公演「古典への誘(いざな)い」


男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)

 

男伊達とは、強きをくじき弱きを助ける男気ある人のこと。侠客(きょうかく)とも呼ばれます。いわゆるはみ出し者でアウトローな存在ですが、人のため義理のために一肌脱ぐカッコ良さから、江戸庶民の憧れの的でした。
歌舞伎には男伊達が登場する名作がいくつもあります。その一つが「曽我綉俠御所染」(そがもようたてしのごしょぞめ)。主人公は御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)といいます。この作品を元に、海老蔵のために新たに作られた舞踊が「男伊達花廓」です。


 

舞台は吉原遊郭

吉原は、最盛期には数千人の遊女がいたという江戸最大の歓楽街です。ここは吉原のメインストリート=吉原仲之町。道の両脇には茶屋がズラリと軒を連ねます。満開の桜は街を彩るディスプレイ。仲之町では、春は桜、初夏は菖蒲…と季節ごとに本物の花木が植え替えられました。四季折々の美しさを味わえるとは実に贅沢です。


(歌舞伎には吉原を描いた作品がたくさん。幕が開いてこの景色が見えたら、舞台は吉原仲之町です。)

 

 

男伊達のファッション

常識の枠に捕われない男伊達は、華やかで奇抜な装いに身を包みました。五郎蔵は白地の粋な着流し、片肌を脱げば赤い襦袢が目にも鮮やかです。今日でも、ヘアスタイルにはその人の個性がよく表れますが、五郎蔵のサイドの髪=鬢(びん)が横に張り出た「車鬢(くるまびん)」はいかにも血気盛ん。腕っぷしも強そうですね。


(粋な五郎蔵の姿。ちょっと変わった鬘は「車鬢のかぶせのんこ」。五郎蔵のほかに男伊達としてよく知られるのは、花川戸助六=歌舞伎十八番「助六所縁江戸桜」の主人公です。)

 

 

所作ダテ

歌舞伎舞踊の中で行われる立ち回りを所作ダテといいます。アクションシーンですが、時代劇の殺陣(たて)のような斬り合いではなく、捕り手や若い者*1に扮する役者たちが美しい動きで主役を引き立てます。血生臭い場面でも、演出はあくまで華やかに。歌舞伎は美意識の高い演劇なのです!

主役にからむ役者達のアクロバティックな動きは、日頃の鍛錬の証です。この作品では、役者達が和傘を組み合わせ、成田屋ならではの“あるもの”をかたどります。ご観劇予定の皆さま、その“あるもの”にお気づき頂けるでしょうか?

*1  若い者:遊郭で働く男性の使用人のこと。年齢に関係なくこう呼ばれた。


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▼豆知識▼

鮫鞘(さめざや)の刀

五郎蔵の刀の鞘は鮫鞘といって、鮫の皮を使ったデザイン性の高いもの。歌舞伎では男伊達の必須アイテムです。江戸初期には実際に男伊達の間で流行しました。

 

 

天紅(てんべに)

恋人からの手紙を読む五郎蔵。歌舞伎の小道具では、遊女がお客に送る手紙には、上端に赤い線が入っています。遊女が口紅をつけて染めたもので、上が紅色であることから天紅と呼びます。

 

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