THUNDER LESSON !

【仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場】平成30年2月 歌舞伎座公演

 

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
七段目 祇園一力茶屋の場


仮名手本忠臣蔵は、江戸時代に本当にあった事件をベースにしたお芝居です。この七段目は、長いお話のうちのほんの一部分。今回のLESSONは、お芝居全体の流れも含め、かなり砕けた内容で進めてゆきます。


仮名手本忠臣蔵(都立中央図書館特別文庫室所蔵)



仮名手本忠臣蔵。全体のストーリーは?

◆ ある殿様が、パワハラ&モラハラを受け、我慢できずにキレて刀を抜く。
◆ キレたのが将軍のお城の中。「ここをどこだと心得る!不届き者!」→殿様は切腹に。
◆ 殿様に仕えていた侍たち「そもそもハラスメントした人が悪い!憎き敵!」と、敵討を決意。
◆ 敵を討つまでに、侍たちや、侍の家族たちが、いくつもの悲しみ・苦しみを乗り越えてゆく。


 

七段目の舞台はどこ?どんな人が出てくる?

敵討を決めて半年以上が過ぎました。舞台は、京都の祇園にある茶屋=遊女を呼んでお酒を飲むところです。ここで連日飲んでいるのが、大星由良之助(おおぼしゆらのすけ。茶屋ではユラさんと呼ばれています)。敵討を決めた侍たちのトップです。飲んでいるのは実は作戦で、討ち入りの噂が立って、敵方のスパイもウロウロしているので「遊んでばかりだし、敵討なんてしないよ」とフェイントをかけています。

他の侍たちが「本当に討ち入りするのかなあ」と不安になって、ユラさんを訪ねて来ます。その侍たちに付き添うのが、海老蔵の演じる寺岡平右衛門(てらおかへいえもん)です。平右衛門は足軽という雑用係。自分も討ち入りメンバーに加わりたいので、ユラさんに自分を売り込むつもりです。

一方、この茶屋でお客の相手をしているのが、お軽(おかる)です。彼女の旦那さんは元は侍で、討ち入りメンバーに加わるのにお金が必要だったので、お軽が自分の身を売って遊女になりました。
遊女なのに、偶然、敵討に関係がある人だったのですが、実は偶然がもう一つ。なんとお軽は平右衛門の妹!この一力茶屋で久々に兄妹が対面するわけなのです。


 

七段目ではどんなことが起きる?

上演時間は約1時間40分。遊郭らしい華やかさを見せつつも、討ち入りに向け色々と状況が動いてゆきます。

◆ お軽が、ユラさん宛の討ち入りに関する手紙をうっかり読んでしまう。秘密が漏れるかも?と思ったユラさんは・・・?
◆ 平右衛門が、討ち入りメンバーに加わるため、お軽を犠牲にしようとする(!)。
◆ 平右衛門がお軽に、お父さんやお軽の旦那さんの悲しい近況を伝える。

果たして、海老蔵演じる平右衛門は、討ち入りに加わることができるのでしょうか?

 

▼仮名手本忠臣蔵の全あらすじをご覧になりたい方はこちら▼
http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/2071


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▼豆知識▼


・足軽
歌舞伎には武家の雑用係として、「足軽」や「奴」が出てくることがあります。彼らがよく言う「ネイ」というのは奴言葉。「ハイ」という意味です。


黒い着物に平右衛門の平の文字が入っています。

 

・敵討
江戸時代、親などが殺された場合にその敵を討つことは、幕府から認められていました。ただし、敵討が許されるのは、武士の身分だけ。足軽は、刀は持っていても正式な武士ではないため、敵討ちをする資格がありません。寺岡平右衛門は足軽でありながら忠義の心が厚く、主君のため討ち入りをと強く願う一本気な青年です。

 

・一力亭
京都祇園に「一力亭」という格式高いお茶屋さんがあります。実は七段目の一力茶屋のモデルになったのはこの一力亭。花見小路という有名な通りの角にあり、朱色の壁の素敵な建物が目を引きます。


・史実とお芝居
この作品のベースにあるのは、元禄赤穂事件(げんろくあこうじけん)=赤穂浪士の討ち入り事件です。大石内蔵助(おおいしくらのすけ)たち47人の侍が、主君の敵を討ったのが史実ですが、歌舞伎では、大石内蔵助が「大星由良之助」など、実在した人物とは別の名前で登場します。江戸時代には、実際に起きた事件をお芝居にすることは、幕府に禁じられていました。作者たちは登場人物の名前を変えることで、「これはあの事件の話ではありません」と言い訳できるようにしたのです。

 

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