THUNDER LESSON !

【雷神不動北山櫻】平成30年5月 歌舞伎座公演(昼の部)2_毛抜

通し狂言
雷神不動北山櫻
(なるかみふどうきたやまざくら)
毛抜 – 小野春道館の場


舞台は、悪人vs善人で内輪モメしている小野家。小野家ではトラブルが2つ起きています。1つは、家宝の「ことわりやの短冊」が行方不明になったこと。「雨乞いのためのあの短冊。朝廷から差し出すよう言われたのに、見つからないのか!」悪人が善人を責めています。実はこの悪人、大悪人の早雲王子とグル。そして短冊は今、早雲王子の手下の手にあります!
 

さて、小野家の2つ目のトラブルは、娘が奇病にかかっていること。娘には婚約者がいて、その婚約者の家来がお見舞いにやってきます。それが、海老蔵演じる粂寺弾正(くめでらだんじょう)です。弾正は「髪が勝手に逆立つ」という娘の病状にビックリ。ひとまず小野家の当主と話し合おうと、当主が来るのを待つ間、毛抜でヒゲを抜きはじめます。


(写真提供 松竹株式会社)

しかし、毛抜が勝手に動き出すのでまたビックリ!奇妙なお屋敷ですが、「鉄製の毛抜と小刀が動き、シルバー製のキセルは動かない」ことから、弾正は娘の奇病の原因を探り当てます。真相はぜひ劇場でお確かめください!


一方、ここに「“自称”百姓」の男がやって来て「小野家に奉公していた妹が殺された。妹を返せ」とゴネます。実はこの男こそが早雲王子の手下で、短冊を持つ張本人。弾正はこれを見抜いて男をやっつけ、短冊を取り戻します。


粂寺弾正(写真提供:松竹株式会社)


娘の奇病と、短冊の紛失。2つのトラブルを解決した弾正が、小野家を後にします。亀甲牡丹(きっこうぼたん)の着物に、寿の字海老(じゅのじえび)の裃。寿の字海老は海老蔵の役者紋でもあります。


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▼豆知識▼

・ことわりやの短冊
「理(ことわり)や 日の本ならば 照りもせめ さりとてはまた 天(あめ)が下とは」。
世界三大美女の1人、小野小町が詠んだという雨乞いの歌で、「この国は日の本(日本)ですから、陽が照るのは当然。しかし、天下ともいうので、雨が降ってもいいのに」という意味です。「毛抜」では、小野家は小野小町の子孫という設定なので、この歌が書かれた短冊を家宝としています。


・大きな毛抜
舞台で使われる小道具の毛抜は、かなりの大きさがあります。これは現在でいうクローズアップの手法。古くから受け継がれる歌舞伎ならではの演出ですね。

 

次は3幕目の「北山岩屋の場」についてご紹介。歌舞伎十八番「鳴神(なるかみ)」として知られる場面です。

「鳴神」について詳しく読む

 

 

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