THUNDER LESSON !

【雷神不動北山櫻】平成30年5月 歌舞伎座公演(昼の部)3_鳴神

通し狂言
雷神不動北山櫻
(なるかみふどうきたやまざくら)
鳴神 – 北山岩屋の場


近ごろ日照りが続くのは、鳴神上人(※)が、法力で雨の神様(龍神)を滝壺に封じ込めたから。朝廷からのミッションで、この封印を解きに来るのが雲の絶間姫(くものたえまひめ)です。彼女の作戦は、ズバリ「色仕掛け」。夫に先立たれた・・という嘘で気を引き、夫との馴れ初めを語る絶間姫。色っぽい話でドキドキさせたり、上人を立ててプライドをくすぐったり、白い足をチラ見せしたりと、上級テクニックを駆使します。
 
※上人:位の高い僧侶。
 
 
鬘(かつら)は撫で付け(なでつけ)という形。 歌舞伎では修行僧や山伏、易者によく用います。
(写真提供:松竹株式会社)

 

厳しい修行を重ねてきた上人は、女性に免疫がありません。一瞬「罠だな?」と疑うものの、絶間姫の虜に。ついに絶間姫と夫婦になる約束をし、祝いの酒を飲むと、不動明王のお札(上人の庵の中にある)がひとりでに燃え上がります。上人が破戒・堕落(※2)して法力をなくしたのです。絶間姫が、酔った上人から聞き出した方法で封印を解くと、激しい雨が降り出します。

※2 破戒=仏教の戒律を破ること。堕落=仏の教えを忘れること。

 

全てを悟った上人は激怒。逆立った髪を表す「五十日の毬栗(いがぐり)」という鬘に。衣裳は“ぶっかえり”という手法で、燃え上がる炎=火焔(かえん)模様のものに変わります。ぶっかえりは、衣裳の上半身を糸で留めておき、糸を引き抜くと衣裳がめくれて腰から下に垂れる仕掛け。人物の性格が変わったり、正体を現したことを表現します。     
 
柱巻(はしらまき)の見得。全身に怒りの力が満ちています。(写真提供 :松竹株式会社)


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▼豆知識▼

・ずぼんぼ
上人の弟子2人が立ち去る時、「ずぼんぼえ、ずぼんぼえ」という歌とともにユーモラスな踊りを披露します。「ずぼんぼ」は虎や獅子の形をした紙製のオモチャ。団扇で扇ぐと跳ねるように動くものです。オモチャとこの場面の演出の関係には諸説ありますが、弟子たちは、男女の仲の良さを思わせる歌とともに、「お師匠様とあの女性、2人きりでイチャイチャするんじゃない?」と、からかっています。


・不動明王
「鳴神」の舞台となったのは、京都北部の山中(北山)にある天明院だと言われます。このお寺の御本尊は不動明王で、お芝居の中でも、庵の中に不動明王のお札があったり、絶間姫が「南無大聖 不動明王」と唱えたり、上人が不動の見得をしたりと、成田屋とつながりの深いお不動様が随所に出てまいります。 なお、雷神不動北山櫻のラストには、海老蔵演じる不動明王が登場いたします!


不動明王。大悪人・早雲王子の悪事も全てお見通しです!(写真提供:松竹株式会社)

 

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